これからの企業はサーバーを自社で抱えるべきではありません。
その理由と、サーバーホスティングとハウジングのメリットについてご紹介します。
ホスティング | ハウジング (コロケーション) |
自社内管理 | |
---|---|---|---|
サーバー機器 | レンタル | 購入 | 購入 |
設置場所 | データセンター | データセンター | 自社オフィス内 |
空調 | 超リッチ | 超リッチ | 要準備 |
UPS (無停電電源装置) |
超リッチ | 超リッチ ※自社購入が必要な場合もある |
購入 |
ハードウェア障害 | 現地エンジニアが対応 | 自社対応 ※オプションでデータセンターに対応してもらうことも可能 |
自社対応 |
耐震性 | 超リッチ | 超リッチ | 会社の建物次第 |
消火設備 | 超リッチ | 超リッチ | 会社の建物次第 |
セキュリティ (入退室) |
超リッチ | 超リッチ | 運用次第 |
費用 | 高い(気がする) サーバースペックや容量による |
高い(気がする) 1ラック14万円/月~ + サーバー本体購入費用 |
安い(気がする) サーバー本体+UPS+ラック購入費用 |
ホスティングは全てサービス提供業者任せで準備してもらうのに対し、ハウジングはサーバーを設置する場所だけを準備してもらい、サーバー本体は自社で準備したものを持ち込むことができます。
ホスティングでは提供していないハイスペックなマシンや特殊な機能を搭載した機器が必要な場合に活用するケースが多いです。
恐らく社内SEならサーバーは外部に任せたいよね。と思う人が多いはず。
ところが、提案だ稟議だと社内で話を進めようとすると、エライ人(高齢の人)たちから
「外部に情報を置いて大丈夫なのか?」
と漠然とした心配をぶつけられます。
ホスティング・ハウジングの社内稟議を通すためには、この心配を取り除く作業がメインのテーマとなります。漠然とした不安を抱える偉い人達に対しては、下の表を参考に外部に委託するのと自社管理のどっちがリスクが高いのかを具体的に見せてあげましょう。
サーバー管理方法別、リスク一覧
サーバー管理方法 | 自社内管理 | 外部(ホスティング・ハウジング) |
---|---|---|
地震 | 天井裏の配管から水が漏れてた。サーバーラックが動いてケーブル類が破損した。 | 免震構造なので、ほとんど揺れなかった。地震があったかどうかも実感できないレベル。 |
火事 | 天井の消火設備からたくさん水をまくから火は消える。サーバーも水をかぶるからデータも消える。 | ガス消火設備によって火はすぐに消える。 気体による消化なのでサーバー機器に影響なし。 |
電源 | 停電時は電源を落とす?発電機があるから大丈夫! 発電機の燃料が供給されなくなったら? |
自家発電装置用に優先的な燃料供給契約をしているので東日本大震災の時もノンストップ電源供給。 |
費用 | 原価償却期間内に使わなくなっても、買っちゃったものの費用はどうにもならない。 | 必要なくなったらすぐに解約できて費用の発生もストップできる。 |
セキュリティ | 入退室管理台帳あるけど、運用はルーズになってる。 | 静脈認証&多数の監視カメラ設置によって厳重に管理。 |
偉い人達が言うように、当然、ホスティング・ハウジングの会社がヘマをしたら情報漏えいの危険性もあります。が、その確立はあなたの会社の誰かがヘマをする確率に比べたらどうなのでしょうか?
外部からの不正アクセス、悪意を持った社員の不正行為による情報リスクについてはデータセンターの方が遥かに安全と言えます。
自社内管理と金額だけ比較したらホスティングはびっくりするほど高いです。しかし、購入後にかかる電気代、トラブル対応時の工数、専有する面積分の家賃など細かなランニングコストを入れて考えてもホスティングやハウジングが高いと言えるでしょうか?
あなたの会社がいったいどれだけのお金を払ったらデータセンター並の設備や運用を手に入れられるのかを考えてみましょう。恐らく、到底実現不可能なレベルです。そんなリッチな設備の恩恵を月割で使えるようになってしまうんです。
ホスティング・ハウジングの金額と比較すべきは
自社内管理で5年間の固定資産償却費用+電気代+場所代+メンテナンス費用+災害時対応(BCP対策)+管理人件費+5年目のリプレイス関連費用です。
正確に比較するには限界がありますが、ホスティング・ハウジングは決して高くない選択なのです。
「外部?ってことはインターネット上からアクセスされちゃうんだろ?」
という勘違いをしている人が多いです。年配の経営層には信じられないくらいいます。
そういう人たちに対しては、ネットワークも独立させて、まるで自社の支店のようにデータセンターの一角を使用できるのだというところを丁寧に説明してあげましょう。
これからの会社にとっては、自然災害による本社機能の急な移転や経営状況に応じた拡大縮小に柔軟に対応できる情報管理体制を取っておくことが大切です。
また、将来のエネルギー不足も見据え、世の中的に優先的にエネルギー供給される場所はどこなのか?考えてみて下さい。きっとあなたの会社よりたくさんの企業のデータを扱うデータセンターが優先されるはずです。
これからの社内SEには、自社でサーバーをいじれる技術力よりも、あらゆる経営状況に対応できる情報システム管理に対する提案力を期待されているはずなのです。
私が社内SEになったのはパソコンやサーバーがいじりたくて社内SEになったわけではなく、仕事のスタイルとして時間的な自由が手に入れたいという大きな目的がありました。
会社の電源の定期点検やら、ディスク故障の度に休日出勤するのは筆者にも会社にも得がありません。
生産性の無いその場しのぎの対応業務より、もっと新しい提案をするために時間を使いたいと思っていますし、何より残業はしたくないです(笑)
ホスティングサービスの充実により、社内SE(企業全体も)はより生産的な業務に時間を使えるようになるのだと思います。
次は→ サーババックアップについて現役社内SEが考えぬいた最適手段とは
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サーババックアップについて現役社内SEが考えぬいた最適手段とは |
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