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無駄に見えるグループウェアの機能が費用対効果のアピールネタになる

デスクネッツやサイボウズをはじめとする大手メーカーが提供しているグループウェアを見ていると「こんなに使わないよ!」と言いたくなるほどあらゆる機能がついています。

しかし、一見無駄に見えるその機能に社内SEの視点では見えない大きな需要があるケースもあるんです。

今回は筆者が社内でグループウェアの提案をする際に、一見無駄に見えていた機能が費用対効果のアピールネタとして大いに役立ったのでまとめておきます。

上場企業は安否確認機能の需要が高い

東日本大震災以降、企業はBCP対策の強化を求められ、グループウェアを扱う大手ベンダーもこぞって安否確認機能を搭載しました。
しかし、筆者個人としては、どれほど需要があるものか疑問に思っていました。

そんなある日、総務部で社員の安否確認システムの導入を検討しているということを耳にしたのです。外部からそのように指導があったのかどうかは定かではありませんが、既に導入することは決定していて、システムやサービスの選定中という段階でした。

確かに、BCP対策を考えたときに会社にとって人材は貴重な資産となります。システム部門がサーバーのバックアップを重要視するのと同様に、総務や人事で安否確認が重要視されるのも納得がいきます。
ちょっと調べてみたところ、SECOMなどホームセキュリティー会社で災害時の社員の安否確認サービス提供しているようです。

グループウェアとセキュリティー会社サービスの価格差は?

ホームセキュリティー会社の安否確認サービスの見積りを見せてもらったのですが、500名の従業員を対象にした場合、月額40,000円程度でした。
つまり一人当たり80円/月ということです。

クラウドで提供されるグループウェアはおおむね一人当たり500円/月で、安否確認はそのうちのほんの1機能にすぎません。大手のグループウェアは25機能以上搭載しているので、単純計算するとグループウェアで提供する安否確認は20円/月と仮定できます。

500人規模の会社で5年間の運用を考えたとき、クラウド型グループウェアを導入し安否確認機能を使えば、ホームセキュリティー会社と契約するよりも180万円安く済む計算になります。

グループウェアが提供する安否確認機能の実力は?

安否確認機能の要は、常に社員と連絡をとれる手段を確保しておくことです。一般的にはプライベートで使用する携帯のメールアドレスや電話番号が使われます。
しかしプライベートのものなのでアドレスや番号が変更されることがあり、会社が常に最新情報を把握しておくことが難しいのです。

グループウェアの安否確認機能はこのあたりが非常に優れています。デスクネッツを例に出すと、まずユーザーがプライベートの携帯のアドレスを登録し、いつでも会社の安否確認システムと連絡が取れるようにしておきます。

デスクネッツの安否確認機能画面デスクネッツの安否確認機能の画面。

管理者側では安否確認訓練として定期的に登録したアドレスとの通信状況を確認することができるので、プライベートのアドレスを変更した場合も通信が取れなくなったことがすぐにわかります。この通信が失敗すると、その社員が誰なのかわかり、対象の社員あてに社内メールでアドレスの再登録の要請を出すことができます。
もちろん個人用アドレスは誰にも知られることは無いのでプライバシーは保護されます。

あれば使えるアンケート機能

人事部門が年間40万円をかけて社員500人を対象に年2回のワークライフバランスやメンタルヘルスに関するアンケートを取ろうとしていることがわかりました。しかも紙で。。。

メンタルヘルスのアンケートについては個人ごとのカウンセリングデータを作成する都合上、専門業者に依頼するしかないのですが、回答数をカウントする程度のアンケートであればグループウェアに標準でついている機能で簡単に実現できてしまいます。もちろん匿名での収集も可能です。

デスクネッツのアンケート機能の画面デスクネッツのアンケート機能の画面。収集状況の確認や匿名によるアンケート収集も可能。

しかも集計状況や提出期限のフォローも自動でできます。提出が完了すれば自動で集計もできるのでExcelでガチャガチャ頑張る必要もありません。

ワークライフバランスに関するアンケート分を年間20万円とすると、これをグループウェアでやれば1年分12万円(アンケート機能20円/月と想定)でアンケートは何度でも取り放題です。

実際にはアンケートにかけようとしていた金額以上に人事部門の社員が全て回収するための作業工数の方が大きいと考えられます。

今は見えない他部署の問題を解決できる可能性

グループウェア導入の費用対効果を考える上で、システム部門だけの視点だけではなく、他の部署が抱えている問題が解決できる可能性も視野に入れていくと思わぬ収穫があるものです。

恐らく、いろいろな企業からの要望が集約されて今のグループウェアがあるはずなので、一見無駄だと思える機能ひとつひとつが社内SEには見えない意味があるのかもしれませんね。

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筆者プロフィール
筆者プロフィール
  • 1976年 東京都生まれ
  • 23歳・・・サービス業の会社に勤務したが時間的自由度の低さに納得行かず転職を考える。
  • 25歳・・・「新卒扱いで構いません!」と言ってIT系企業(社員30名)に転職。
    Word、Excelから始め、サーバーやネットワーク機器の構築を学び、3年間SIerとしてお客様への提案やシステム構築を行う。
  • 28歳・・・「3年の経験あり」ということで現在の会社(従業員数900名)に社内SEとして入社
    遅れに遅れていた社内システムを低予算で更新した実績を評価された。