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EMC「VNXe3100」の重複排除でファイルサーバーを超効率的に運用する

筆者の会社ではファイルサーバーとしてEMCのVNXe3100を導入しています。

ここではVNXe3100の重複排除機能と運用の組み合わせでファイルサーバーを超効率的に運用する方法と、VNXe3100の重複排除の効果をご紹介します。

VNXeの重複排除機能とは?

EMCのVNXシリーズには重複排除機能が搭載されていて、一定期間(15日間)変更が無いデータは重複排除の処理がされます。

例えば20MのPDFファイルがあったとして、このファイルを社員が自分のフォルダーにコピーすると40M、また別の社員もコピーすると60Mと容量を消費していきますよね。

ここで重複排除の処理がされると60Mだった容量が1ファイル分の20Mになります。もちろん、社員が自分のフォルダーにコピーしたデータが無くなったりはしません。1つの本物ファイルに対して複数のショートカットからアクセスするイメージと同じ仕組みです。

この機能を活用することで、不要にコピーされたファイルによるサーバー容量の浪費を防ぐことができるんです。

ファイルサーバー運用との組み合わせがカギ

VNXeの重複排除は非常に優れた機能ですが、ファイルサーバー内に重複データが無ければ何の意味もありません。

Windowsファイルサーバーの最適な運用ルールとフォルダ構成にある通り、筆者の会社ではファイルサーバーのフォルダーを年度ごとに区切って運用しています。

こうすることで不要なデータを定期的にクリアできるので、誰も使わないごみファイルの蓄積を防ぐことができるんです。

しかし、年度をまたぐと同じデータがコピーされることが多く、事前の調査では全体容量のうち30パーセント以上が重複ファイルであることが分かっていました。
(参考「Windowsファイルサーバーの無駄を無料で調査する方法」)

筆者は、「年度で区切るフォルダー運用にVNXeの重複排除機能をあわせれば完璧な運用になんじゃない?」と期待を膨らませていました。

重複排除の効果は?

実際にVNXeを導入し、古いストレージからデータを移行して1ヶ月ほど経過した段階から重複排除の効果が現れました。

2.6TBあったデータが重複排除により1.3TBに。つまり半分になっています。

EMC VNXeの重複排除効果

こんなに重複データがあったこと自体にも驚きですが、期待以上の効果に感動しました。

導入費用としてはVNXe3100にディスクをフル搭載して24TB(Raid6構成で実行16TB)で110万円程度(値引きあり)

これが重複排除でデータが半分になるってことは費用対効果は倍ってことです。

VNXeはVMwareのデータストアとしても使用できるなど、ストレージとしては幅広い活用方法がありますが、ファイルサーバー用途だけで考えても近年まれに見るコストパフォーマンスのストレージ製品だったと思います。

その他の機能レビュー

圧縮機能も効果絶大

VNXeは重複排除機能に加えて、ファイルの圧縮機能も備わっています。一定期間(15日間)変更が無いファイルは自動的に圧縮がかかります。

圧縮がかかるといってもZIP形式になってしまうわけではありません。ユーザーは特に意識することなくファイルをダブルクリックすれば開くことができます。

圧縮処理がかかっているので、理論上は未圧縮のファイルよりも開くのに時間がかかるはずですが、使っていてもその違いに気づけないレベルです。

NL-SASのスピード

サーバーのディスクを高信頼のSASにするか、廉価版のNL-SASにするかで非常に悩みました。常時稼働に最適化され、スピードも速いSASは多くのサーバーに搭載されていますが、とにかく価格が高い!NL-SASであれば1本あたりの金額はSASの5分の1程度で済んでしまいます。

「NL-SASを選択したことでファイルサーバーの動作が遅い、なんてことになったら・・・」
と不安でいっぱいでしたが、実際に運用を開始してみたら
「そういえばNL-SASにしたんだった」
と不安を忘れてしまうくらい気になりませんでした。
(もちろん事前に検証機を借りてテストしましたよ)

恐らくVMwareのデータストアとして利用しDBサーバーなどを動かすことを考える場合はSASレベルのパフォーマンスを要求されるのでしょう。ファイルサーバー程度ならNL-SASで十分ってことです。

ユーザーインターフェイス

操作画面は若干慣れが必要ですが、他のストレージ製品に比べると非常にわかり易いです。ちょっと動きが遅くてイライラすることがありますが、管理画面なので我慢できるレベルです。

もはやファイルサーバーに無駄がみつからない

ファイルサーバーの容量問題に悩み始めて数年。重複ファイル、ごみファイル、高解像度画像ファイルなどの無駄を調査し、それぞれへの対応が運用として回り始めた現在では
「これ以上効率的な運用ってある?」
って思うほど悩みがなくなりました。

将来的には保存できるファイル形式やサイズを制限するようなことができたらとも思いますが、ここから先はユーザーのモラルやスキルを育てるほうがコストメリットが出ると考えています。

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次は→ HPのMSA2012fcでディスクがleftoverになった時の復旧方法

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筆者プロフィール
筆者プロフィール
  • 1976年 東京都生まれ
  • 23歳・・・サービス業の会社に勤務したが時間的自由度の低さに納得行かず転職を考える。
  • 25歳・・・「新卒扱いで構いません!」と言ってIT系企業(社員30名)に転職。
    Word、Excelから始め、サーバーやネットワーク機器の構築を学び、3年間SIerとしてお客様への提案やシステム構築を行う。
  • 28歳・・・「3年の経験あり」ということで現在の会社(従業員数900名)に社内SEとして入社
    遅れに遅れていた社内システムを低予算で更新した実績を評価された。