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グループウェアの選びの考え方・選定項目一覧

グループウェアは会社のワークスタイルを形付ける重要な存在です。

新規導入や既存グループウェア更新に悩む社内SEの方の為にグループウェア選びの考え方についてご紹介します。

バージョンアップ?別製品へ乗り換え?

一番簡単なのは既存のグループウェアを新しいバージョンに更新することです。

しかし、新しいバージョンでスマホ対応のインターフェイスが用意されていなかったり通信の暗号化に対応してないなど、新時代の要件を満たさない製品の場合、お金をかけてバージョンアップするメリットが無く、例えバージョンアップしたとしても今時スマホ対応してないグループウェアなんて企業の競争力低下が懸念されます。

では、全く別のグループウェアを検討していかなければ行けない
こうなったときが一番大変です。

など、グループウェア製品が変わることで今までできていたことができなくなるという事に頭を悩ませる社内SEの方は多いはずです。
では、世の中にあるたくさんの会社はどんなふうにグループウェアを選定しているのでしょうか?

全ての要件を満たすグループウェアは無い

まず、大前提として理解しておくべきなのは、「全ての要件を満たすグループウェアは無い」ということです。ここを早めに割り切らないと数々のグループウェアのトライアルに時間を浪費するだけで、結局何が重要なのかが見えなくなってしまいます。

必要だと考えている機能にも優先順位をつけ、絶対に必要なもの、あったら便利程度のものをしっかり分けておかないと、グループウェア選定作業は終わりなき戦いになってしまいます。

「今までできていたこと」=「必要なこと」とは限らない

「今までできたことができなくなる」ことに対して社員(特に偉い人達)は敏感で、社内SEの大きな悩みを生む原因でもあります。

何も変えなければ誰からも文句は出ませんが、そんな流れでグループウェアを選択した結果、今後求められるコラボレーション機能が低く数年で陳腐化してしまうような製品を使い続けるハメになります。

会社を良くすることが使命だと考える意識の高い社内SEであるなら、「今までできていたこと」がそもそも会社にとって必要なことなのかどうかを疑問視すべきでしょう。
そして、今後必要になる機能、もしくは使いこなすことで社内コミュニケーションが更に活性化する機能に重点を置くべきです。

グループウェア選びのポイント

主なグループウェア選びのポイントをご紹介します。
(全ての企業に当てはまるわけではありません)

クラウドであること

1ユーザーあたりの費用を算出していくとどうしてもクラウドは割高感があります。その結果オンプレミスで社内独自にサーバーを持とうなどと考えてしまいがちですが、グループウェアの費用はユーザー単価だけでは到底判断できません。

「現役社内SEがサーバーホスティング&ハウジングを選ぶ理由」にもある通り、これからの企業は社内にサーバーを抱えるべきではありません。とかくグループウェアは企業活動の根幹を支えるものであり、サーバーがダウンすればスケジュールもメールも出来ず、業務停止状態になってしまいます。

信頼の置ける大手企業が運営するクラウドサービスであれば、会社では到底準備することの出来ないリッチな環境でグループウェアを稼働させることができるのです。

メールボックス容量に余裕があること

Google AppsのGメールは容量25Gとずば抜けていますが、そこまでいかなくても2G程度を確保できるグループウェアを選びましょう。もちろん会社の業種によってメール容量は様々なので一概には言えませんが、過去2年分程度のメールを常に検索できる状態にしておくことで業務効率は飛躍的に向上します。

40代を過ぎた社員達はメールを検索して活用するという習慣が無いので、ここについてはしっかりと教育していくことも社内SEの重要な任務です。

社員全員が目にする掲示板があること

会社の情報を全社員に漏れなく発信できる掲示板があるか確認しましょう。メーリングリストではなく、飽くまでも掲示板です。メーリングリストだと個人のメール管理方法次第ですぐに迷惑メール同様に埋もれて目につかなくなってしまう可能性があるからです。

ログインしたら必ず強制的に目に入る掲示板があることで、会社の最新情報を全社員が把握できるようになりますし、これこそ日本企業がグループウェアを使い始めた大きな目的でもあるのです。

動作が快適であること

オンプレミスで導入した場合にありがちな問題として、月曜の朝は全員が一斉にログインするから処理が遅いとか、月末は申請書類がたくさんワークフローに流れるからタイムアウトのエラーが出るといったものがあります。十分なスペックのハードウェアを導入しなかったために負荷に耐えられなくなる問題は、業務スピードの低下と社員のストレス増大を産みます。

クラウドで準備されるマシンのスペックと製品の処理構造が動作スピードに影響してくるので、ある程度製品を絞ったら、必ず実際のクラウド環境をテストしてみましょう。

そうは言っても、数百人の一斉ログインに耐えうるかどうかをどうやってテストするの?と思いますよね?そんなのテストできません。
こういう時はとにかくメジャーなメーカー、メジャーな製品を選ぶのが原則です。

シェアが大きいメーカーはそれだけの信頼がありますし、売上があれば更なるクラウド環境の整備につながり、ユーザーに対してリッチな環境を提供できるようになるのです。

重要な機能は細部まで確認が必要

必要な機能をピックアップして対象となる製品を絞っていくのがグループウェア選びのプロセスですが、機能と一言で言っても細かい部分に注意が必要です。

例えば、「共有アドレス帳機能」があります。

どんなグループウェアにも当然のようにある「共有アドレス帳機能」も細かく見ていかないとできることできないことの差が見えてきません。

グループウェア機能チェックリスト

製品選定の際にお役立て下さい。最下段からエクセルファイルをダウンロードできます。

項目詳細機能
スケジュール自分の予定作成・変更・削除
相手にスケジュール予約
スケジュールがバッティングした時の動き
予約者全員の承認状況確認
予約等のメール通知
複数人のスケジュールの一覧表示
空きスケジュールの検索機能
共有アドレス帳グループウェアアカウントとは別でアドレス登録ができる
部署情報やTEL番号も登録できる
部門の階層構造で管理できる
csv・xls形式で入出力が可能
一人を複数の部署に所属させられる
複数所属の場合は主・副の設定ができる
部署・名前で検索ができる
メール・Webメール共有アドレス帳が使える
個人や部門単位の共有アドレス帳が使える
スマートフォン対応している
ガラケーに対応している
ドラッグ&ドロップでファイル添付できる
容量に余裕がある(2G以上)
プッシュ通知できる
過去のメールを全文検索できる
カテゴリー分けできる
スパムメールチェックができる(優れている)
別領域へのバックアップ機能がある
設備・備品予約設備の予約状況を一覧表示できる
予約の空きを検索できる
予約時間のバッティング時に警告が出る
設備・備品ごとに使用禁止時間を設定できる
お知らせ・掲示板全社・部門単位で表示権限を分けられる
資料の添付ができる
画像や動画を簡単に埋め込むことができる
ログイン時のポータル画面へ表示できる
未開封のお知らせをチェックできる
回覧開封していない社員を一覧できる
開封の催促ができる。
アンケート機能チェックボックス・リスト選択の設定ができる
テキスト形式の自由回答ができる
ファイルが添付できる(質問時・回答時)
期限までに回答するように自動通知できる
回収状況を一覧できる
回答の集計ができる
申請フローOffice文書添付
組織図の階層構造に沿ったフローを自動作成できる
申請書ごとのルートを設定できる
申請時にユーザーが独自ルートを作成できる
申請状況を確認できる
決裁時、承認依頼時にメール通知できる
ルート情報のcsv入出力ができる
ポータル画面不要なメニューボタンを削除できる
社内の別システムへのリンクを作成できる
社内の別システムへシングルサインオンできる
スマートフォン対応している
ガラケーに対応している
全体暗号化対応している(URLがhttps://で始まる)
十分な処理速度がある
サポートライセンス追加は迅速に対応してもらえる
停電時にも自家発電による稼働を保証される
バックアップできる

グループウェアチェックリスト ダウンロード(zip版)

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筆者プロフィール
筆者プロフィール
  • 1976年 東京都生まれ
  • 23歳・・・サービス業の会社に勤務したが時間的自由度の低さに納得行かず転職を考える。
  • 25歳・・・「新卒扱いで構いません!」と言ってIT系企業(社員30名)に転職。
    Word、Excelから始め、サーバーやネットワーク機器の構築を学び、3年間SIerとしてお客様への提案やシステム構築を行う。
  • 28歳・・・「3年の経験あり」ということで現在の会社(従業員数900名)に社内SEとして入社
    遅れに遅れていた社内システムを低予算で更新した実績を評価された。