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このデメリットが無ければGoogleAppsが最高のグループウェアだった

あなたの会社のグループウェアとしてGoogle Appsは選定候補に入っていますか?

実際に筆者がGoogleAppsの導入テストをしてみた結果をご報告したいと思います。結論から言うと、幾つかのデメリットを運用でカバーできるなら、GoogleAppsがNo1のグループウェアだったと思います。

ポータル機能が弱いGoogle Apps

筆者がGoogle Appsをテストして実導入を断念した理由となった最大のデメリット。それは日本人が大好きなポータル画面が無いことです。

ちょっとGoogle Appsを触ったことがある人なら
「え?ポータルもサイトで作ればいいじゃん」
と思うかもしれません。実際私もずっとそう思っていました。

実際にサイトを使ってポータル画面にGmail・カレンダー・サイト・ドライブなど各機能へのボタンを配置しリンクを貼ります。

ログイン後にまずポータル画面を表示させることは可能です。ここでスケジュールを確認しようと「カレンダー」をクリックし、今度はメールを見ようとすると・・・「ボタンが無い!!」
つまり、ポータルに設置した各機能へのボタンがそれぞれの機能に飛んでしまうとそのページにはボタンが無いんです。

図解 ポータルサイトへ戻るリンクが無いのがGoogle Appsのデメリット 各機能の画面には、ポータルサイトに戻るリンクが無い。

一つの画面のフレーム内で機能が切り替わるグループウェアが多かったので、その使い方に慣れているユーザーは非常に戸惑います。実際は裏にポータル画面が開きっぱなしになっているのでそこから開けばいいのですが、全社員がこの操作にバタつくのは会社としても大きな業務効率低下が懸念されます。

メールやカレンダーといった一つ一つの機能は非常に優れているのですが、グループウェアとしての一体感に欠ける部分が残念です。

Google Appsの細かい問題点

別のツールを使ったり、運用次第でカバーできるものばかりですが、Google Appsには実はもう少し細かいデメリットがありました。

1 共有のアドレス帳が無い

各ベンダー提供の連携機能で実装可能ですが、インターフェイスを見る限りなんとなく無理矢理感が否めません。

2 ワークフローが無い

こちらも各ベンダー提供の連携機能で実装可能ですが、Google Appsのアカウントに所属情報を持たせ、各ベンダー提供のワークフローと階層構造の整合性を合わせるのが異常にややこしく、社内SEは設定の度に号泣するはめになります。

3 掲示板編集権限の細かい設定が出来ない

ITスキルの高い人達が多い会社ならいいのですが、筆者の会社のように「何もやってないんだけどねー」と言いながら実はデータを削除しているような人たちが多いと、いつの間にか掲示板のお知らせを別の誰かが削除してしまうなんてことが起きかねません。
何百人もいる会社では一人のミス操作が大混乱を招いてしまう可能性があります。

4 複数サイトの更新情報をまとめて1つの更新情報にまとめることが出来ない。

ポータルのトップページに総務のお知らせ・人事のお知らせ・営業部門のお知らせなど、各部門が掲示した最新情報をまとめて、会社全体のお知らせを作ろうとしたのですが、異なるサイトのお知らせを1つの更新情報ガジェットにまとめることができませんでした。

次の項目からはGoogleAppsを導入したいと思ったメリットを紹介していきます。

最高で抜群のメリットは25Gのメール容量

Google Appsの最強ツール「Gmail」の画面 たっぷり25Gはメールを消す作業を忘れさせてくれる。

メールは消さずに検索して使うというコンセプトだけあって、容量は25Gと他のグループウェア製品を大きく引き離しています。メールボックスの容量を気にせず、大きめのデータも安心してやり取りが出来るのは、社員にとっても大きなメリットになります。

特に検索機能は素晴らしく、全文検索もとても早いです。検索エンジンのGoogleですから当然なんでしょうけどね。

意外と稀なメール+グループウェア一体形サービス

国産のグループウェアを幾つか見ていくと分かりますが、グループウェアとメールサーバーが切り離されていてメールサーバーは自社で持って、webメールサーバーをグループウェアと一緒にクラウドに置くという構成の製品が多いです。それはそれでメリットもあるのですが、メールサーバーは自社で管理しろってところが怖いところです。

メールサーバーがダウンした時のことを考えてみてください。当然メールは送れませんし、スケジュールやTodoのリマインダーも飛ばなくなってしまいます。導入時にはメールサーバーのバックアップもしっかり検討しておく必要があり、色々悩ましいものなのです。せっかくグループウェアをクラウドにしてハードウェア管理から手が離せると思ったのに・・・。

その点、GoogleAppsはメール環境もまるごと込みなので、全く意識する必要がありません。

完璧なマルチデバイス対応と直感的な操作感

Google Appsはマルチデバイス対応 Google Appsはもちろんマルチデバイス対応

スマートフォンやタブレットで使っても直感的な操作ができるインターフェイスで非常に使いやすいです。

最近はプライベートでGmailやカレンダーを使っている社員も多いので移行しても操作に迷うこと無く、スムーズに使い始められるところは大きなメリットと言えます。

さらに、グローバルに展開するGoogleのインターフェイスなら海外に拠点を置く企業でも現地の社員も馴染みやすく、現地語への翻訳機能も重宝します。

強力なセキュリティ&バックアップ

Google Appsのデータは全てクラウドに存在しますが、アプリケーションデータの管理方法も一般的な企業ではまず実現不可能なほどリッチでセキュアなものです。 データは複数のデータセンターのサーバーにバラバラに保存され(マルチテナント分散環境)、1箇所のサーバーだけを見ても何の意味もなさないデータとなっています。

Google Appsの強力なバックアップ&セキュリティの仕組み Google Appsのデータは複数のデータセンターに分散して保管される。(マルチテナント分散環境)

データを読み出すときはGoogle Appsが複数のデータセンターから読み出し、1つのデータとして復元してくれます。

Google Appsはこんな会社にオススメ

ITリテラシーが高く、若い社員が多い会社なら他のグループウェアよりも遥かに自由度の高いGoogle Appsがオススメです。サイト機能で自分自身のサイトを作ることができるので、社員一人ひとりの発想で新しいコミュニケーションが生まれます。

縦割り組織の古き日本企業が苦手としてきたのが、部門を超えた業務連携。でも現代の仕事は横の連携が大切だったりするんですよね。Google Appsは組織の中の様々な連携を強力に推進するための武器となるでしょう。

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筆者プロフィール
筆者プロフィール
  • 1976年 東京都生まれ
  • 23歳・・・サービス業の会社に勤務したが時間的自由度の低さに納得行かず転職を考える。
  • 25歳・・・「新卒扱いで構いません!」と言ってIT系企業(社員30名)に転職。
    Word、Excelから始め、サーバーやネットワーク機器の構築を学び、3年間SIerとしてお客様への提案やシステム構築を行う。
  • 28歳・・・「3年の経験あり」ということで現在の会社(従業員数900名)に社内SEとして入社
    遅れに遅れていた社内システムを低予算で更新した実績を評価された。