外部に公開するWebサーバーを多数持っている企業にとって、DNSサーバを独自に運用するかどうかは大きな課題となります。
独自に運用することで自社都合に応じて柔軟にレコード設定できるメリットもあります。
しかしきわめて特殊な設定が必要になるケースじゃない限り、これからはDNSはホスティングによる運用をメインにしていくべきです。その理由についてまとめてみました。
DNSサーバーを独自に立てるメリットは詳細な設定ができることにあります。
DNSサーバーをホスティングで運用した場合、ホスティング先が提供するGUIによって設定できる項目は制限され、細かい設定ができない場合があります。
社内のDMZ上に置いてインターネットに公開するサーバーの台数や運用上の仕様によってこのメリットが重要になってきます。
しかし、特殊な設定をしない限りは以下で取り上げる独自サーバーのデメリットの方が大きくなってきてしまうので注意が必要です。
DNSサーバーは社内だけじゃなく、インターネットの世界全体に影響を与えるものです。ちょっと設定を間違うことでとんでもない数の人たちに迷惑をかけることになり、ちょっと問題を起こすだけで企業として大きなダメージを受ける可能性もあります。
独自運用とは言っても、公開したDNSサーバーは全世界の人が参照する可能性があります。ちょっとしたことでサーバーに多くのDNS要求が集中した場合、レスポンス不足に陥る可能性もあります。
筆者の会社でも独自にDNSサーバーを構築していた時期がありますが、DNSのポートを狙った攻撃は日々ログとして記録されていました。ほとんどが海外からのアクセスでした。
常に最新情報をつかみ、予め高度な攻撃にも耐えうるセキュリティ対策を施しておく必要があります。
以上のように、独自にDNSを運用するには多くの工数とスキル・知識を要求されます。他にも多くの業務を抱える社内SEが対応するには非常に荷の重いシステムなのです。
ホスティング会社は、ソフトウェア・ハードウェア・ネットワークの全てにおいて冗長化を施しており、完全無停止で運用できる体制が整っています。自社では到底実現不可能な稼働率はホスティングの最大のメリットと言ってもいいでしょう。
仮想化技術を駆使して、負荷が高まった時にはCPUやメモリ量をリアルタイムに容量アップするといった流動的なリソース管理をしているので毎月定額でも、負荷の高い時期には価格以上のスペックを利用することが可能になります。
当然ながらDNS運用の専門家がいますので、セキュリティ対策についての最新知識も持っており安心度が高いです。
実際、企業のサーバー管理が原因で情報漏えいという事故は起こっても、大手データセンターが提供するホスティングサーバーの事故はほとんどありません。
DNSという仕組み自体が誰もがアクセスできる仕組みである以上、数々の脆弱性を持っていることは否めません。
専門家の間では今も今後のDNSサービスの在り方について研究が進められている分野なので、にわか社内SEが手を出すべきサーバー運用では無いと言えます。
DNS単体をホスティングするというケースはごくまれかもしれません。一般的なのはインターネットサービスプロバイダーを契約する際にセットで案内されるDNSを使うという形です。
ネットワークの帯域も含めDNSサービスについてもメジャーな大手企業のサービスを使うのがベストです。
マイナーなプロバイダーで契約してしまうと、何かとサーバーメンテナンスの度に停止されてしまうという面倒があります。
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