実際に現役社内SEが採用しているパソコン選定基準をご紹介します。
ユーザーの快適性を重視しつつ、故障時の対応などの管理面も考慮した10個の選定ポイントです。
ノートかデスクトップかが最初の選定の分かれ道になりますが、社内を全てノートで統一してしまいます。
ノートのメリットとしては
が挙げられますが、社内でノート統一となると、デスクトップ派が反発してきます。
ノート型になることで生じるデメリットとその対策についてまとめました。
問題点 | 代替策 |
---|---|
画面が小さくなる | 外付けディスプレイをあげる |
テンキーが付いてない | USBのテンキーをあげる (最近の15インチ以上はテンキーがついています) |
ディスプレイとキーボードを離したい | USBキーボードでも買ってくださいと言う |
※つまりドッキングステーション的な使い方をしてもらうということです。
なぜそこまでしてノートに統一するのか?
ノートPCへの統一に懐疑的な人たちの説得については、かつておきた災害やそれに伴う計画停電などを引き合いに出し、コンパクトで省エネでいざというときには在宅勤務も可能になる会社機能の柔軟性維持という面で大きなアピールになります。
ディスプレイサイズは作業効率に大きく影響します。概ね14インチで統一すれば広く対応可能です。外回りが多いとモバイルノートが必要になる場合もありますが、その場合は社内を大きく2サイズに分ける運用もありです。
本当に大きなディスプレイがないといけないなら外付けをつければいいわけですから、ノートは飽くまでもバッグに入るサイズを用意しておきましょう。
1366×768(HD画質)のノートが殆んどの中、探していくと1600×900の高解像度ノートもあります。
クラウドの普及で、会社のシステムもブラウザ上で使用するものが増えてきました。そんなご時世に画面の縦の解像度が低いのは作業効率低下を招いてしまいます。
特にあまり知識の無いユーザーのパソコンはツールバー系のソフトがいつの間にか入っており、Googleツールバー・Yahooツールバー・Bingツールバーなど3段重ね以上でブラウザの画面を専有してしまいます。
解像度が高くなると、文字が小さくなるので管理職クラスの人達は心配する人がいますが、Windows7はフォントだけを大きくしてもガタガタしない綺麗なフォントで表示されるので、ちょっとした設定で使いやすくなります。
とにかく安いPCをということでCeleronのモデルを導入してしまう人もいるのですが、Celeronはかわいそうなくらい遅いです。社内SEは初期セットアップしか触れない場合もあるのでわかりにくいですが、3年以上使っている人のCeleronのノートを見た時、とんでもないことをしてしまったと後悔したことがあります。
メモリも2Gではきついです。大して高くないのでCoreiシリーズ&メモリ4Gで構成してあげましょう。
ユーザーが何かと自由に使えるのがUSBポートです。マウスはもちろん、外付けHDDを付けたり、扇風機をつけてみたり携帯電話を充電したり、問題はあるかもしれませんがゲートウェイを付けてスマートフォンのWifi接続をすることもあります。USBポートは最低でも3個ついているものを選びましょう。
ついている場所も様々ですが、右手前についているポートはマウスの邪魔になるので極力避けたいところです。
ウルトラブックなど極薄のノートになると光学ドライブがついていない場合があります。実際最近のソフトはダウンロード販売なども多いのでCD-Rなどなくてもやっていけるのですが、ユーザーの中には何かとCDでインストールしたい人、DVDにデータをバックアップしたい人がいるものです。
プラス3000円くらいなので光学ドライブはスーパーマルチドライブを付けておきましょう。
メモリ・ハードディスク・ディスプレイについては誰でも交換ができます。それぞれがドライバーなどで簡単に取り外しできるものが確認しておきましょう。
ディスプレイを交換修理する社内SEの方は少ないかもしれませんが、液晶パネルとインバータがネットで購入できるので、保障期間が切れて修理に50000円ほどかかるディスプレイも、部品は9000円程度で購入でき、交換も30分以内にできてしまいます。
最近は国内メーカーも安くなってきてグッと来るモデルもありますが、ビジネスパソコンとして選定する以上、メーカーの実績を重要視したいところです。
お勧めはDELL・HP・Lenovo・Toshiba・Panasonicというところでしょうか?特にDELLとHPは特価が出ると半額くらいの値段で購入できます。
例えば、CPU:Corei7/メモリ:4G/HDD:350G/ディスプレイ:1600×900/光学ドライブ:スーパーマルチ/OS:Win7Proの構成で80000円台です。
Dellなどは故障が多いという評判も聞きますが、それだけ世に出回っているということです。パソコンはどのメーカーのものも一定の割合で故障が発生するものと割り切っておきましょう。
実際にToshibaのDynabook Satelliteシリーズは80台購入し3年経過後に9台ほどバックライト切れの修理対応をしました。信頼の国内メーカーもその程度は壊れるんだということでいつも交換用ディスプレイをストックしています。
世界的にもシェアが多いメーカーということは、卸売業者もかなりの台数をまとめて仕入れていますので、大幅なボリュームディスカウントも期待できるというメリットがあります。
標準でついているものだけで十分です。新たに購入して強力なサポートを追加する必要はありません。
パソコンが壊れると言ったら、ほとんどの場合ディスプレイのバックライト切れとHDDの故障です。この2つについては社内SEが対応すれば保証期間後も10000円以内で修理可能です。
Bluetooth | ・・・ | 対応する周辺機器も増えてきたのでつけておいた方が後々便利です。 |
---|---|---|
Webカメラ | ・・・ | スマートフォンや無料TV電話ツールの普及により自席にいながらTV会議ができるような環境が整ってきています。今は使わなくてもついていることで将来のワークスタイルの幅が大きく広がります。 |
リカバリメディア | ・・・ | 最近はHDDにバックアップイメージがあるものがほとんどですが、ユーザーが削除してしまうことも可能です。いざという時にOS再インストールができるように準備しておきましょう。 |
ご紹介した選定基準がすべての企業に当てはまるわけではありませんが、会社用パソコン選定に悩む社内SEの方にとって少しでも参考になれば幸いです。
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