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社内パソコンの最適な買い方とは?ソフトとハードのリース&購入方法まとめ

企業でパソコンを使う上で欠かせないのが「Windows」と「Microsoft Office」です。しかしその買い方はプリインストールやパッケージ、ボリュームライセンスなど様々です。

ここでは実際に筆者の会社でも行っているハードとソフトの買い方についてまとめました。500人~1000人規模の会社で長年運用してきた経験を踏まえ、現時点のベストと考えられる購入方法をご案内します。

※ちなみに、ここでご紹介する買い方は、シンクライアントやブレードPCなど仮想デスクトップ環境を導入している企業には当てはまりません。

ハードとソフトの買い方まとめ

まず、結論から言うとパソコンのハードウェア、WindowsOS、Officeソフトの買い方は下記の通りです。

買うもの買い方
ハードウェア(ソフトウェアを除くパソコン本体)リース(4年 or 5年)
ソフトウェア OS(Windows)プリインストール
ソフトウェア Microsoft Office(WordとかExcelとか)ボリュームライセンス

以下それぞれの詳細について説明します。

ハードはリースでライフサイクルを強制する

まず、パソコンを購入しようとするときに業者から一括で購入するのか、リース会社を通して、月々のリース料を支払う形にするのかで分かれます。

正確には、経理処理上のキャッシュの流出量と社内処理の負荷とのバランスを細かく見て、さらに会社の経営状態も加味して判断しなければならないのですが、ややこしい話はさておき、筆者の経験上の全てを考慮した上でリースがベストです。

リースのデメリット「金利」はどう考える?

リースの場合、当然リース会社の利益分を上乗せで支払わなければいけないので、契約期間が満了した時に支払った総額は、一括購入した時よりも多くなってしまいます。
しかし、リース会社に多く支払うだけのメリットは十分享受できると筆者は考えています。

災害時の修理・交換保障や返却時のデータ消去サービスは、個別に加入する保険料や社内SE側の作業負荷を大幅に軽減してくれるのです。

一定のライフサイクルで運用できる

PCを買い取りにする理由の多くが「使えるまで使う」ことだそうです。つまり、リース期間の4年や5年に縛られず、メモリを追加したりしながら7年くらい使って元を取ろうという考え方です。

筆者も同じ考えで運用したことがありますが、使えなくなったという判断基準がはっきりしないのでユーザーの反発も大きく、5年を経過したあたりから故障頻度も多くなり(特にディスプレイ)対応にかなりの時間を割いた記憶があります。

古いパソコンで耐え忍ぶ社員のストレスや故障対応の工数を考慮しても7年使うことで元が取れたと言えるのか?非常に疑問に感じていました。

PCはリースにすることで4年、もしくは5年でリプレイスを迎えるので、ユーザーはいつも良好な状態のハードウェアで仕事ができます。

PCは社員にとって業務に不可欠のモノです。金銭的な損得だけではなく、社員の労働環境として大きな影響を持つものであることも認識した上でライフサイクルを検討していくべきなのです。

WindowsOSの買い方ーボリュームライセンスは意味不明

最近、パソコンを買えば必ずOSが入っています。なのにさらにボリュームライセンスでOSを購入する意味は??
この質問を実際にMicrosoftの法人営業に投げかけたことがあります。
結論としては「ごく限られた条件のお客様にしかおすすめできない」ということでした。

かつてはOS無しのPCも各メーカーから販売されていたので、ハードだけを購入してOSは別途ボリュームライセンスで購入するという形をとっていた企業が多かったのです。その方がパソコンをセットアップする時にイメージバックアップを大量展開できるので、社内SEとしても運用が楽でした。

WindowsXPの時代はプリインストール版でも一通りセットアップした後に、Ghostなどのイメージバックアップツールでバックアップを取り、そのバックアップを複数のPCに復元していく形で大量展開ができたのですが、Windows Vista以降はボリュームライセンス版のみとなっています。

しかし、今やOSが入っていない状態で売られているPCを探すのは至難の業です。

どうしても大量展開に工数をかけたくないなら、シンクライアントに移行するか、各PCメーカーが提供しているキッティングサービス(自社オリジナルの設定をした上で納品してもらえる)を使用した方が費用対効果は高いです。

長々とボリュームライセンス版OSの悪口を書いてしまいましたが、現在ではボリュームライセンスを選択するメリットはシンクライアントやブレードPCなど、ごく限られたクライアント運用をしている企業にしかありません。

プリインストールのOSの方が割安で手間も少ない上に、ハードウェアとセットでリースにできるので運用面でメリットがあると言えます。

Officeはボリュームライセンスで新旧バージョンを柔軟に使い分ける

Windows同様、Officeソフト(Microsoft Office Word や Excelなど)もプリインストール版がありますが、こちらはボリュームライセンスをおすすめします。

リースのサイクルとOfficeのサイクルは同じではない

筆者の会社では、WindowsXPがメインだった期間が10年程ありました。その間、PCはリースアップで入れ替わってもOfficeはずっと2003を使い続けてきました。Officeソフトをプリインストール版で購入していたら、同じソフトを使い続けるためにリースアップの度に購入しなければならなかったのです。
さらに、Windows7が登場したばかりのころは、OSはWindows7でもOfficeは2003で使い続ける必要がありました。

業務上、システムがOffice2003にしか対応していなかったり、本人の都合で今はまだリボンインターフェイスに変えたくないという理由に柔軟に対応する必要があったのです。

このように、OfficeソフトはOS以上に業務効率に直結するので、ハードウェアのサイクルに合わせてむやみにバージョンアップができないのです。

古いOfficeが必要になるときがある

Excelのマクロや、Accessのクエリなど、古いバージョンで作成されたものが開けなくなることがあります。どうしても一時的に動かせるようにしたい場合にボリュームライセンスで購入しておけばいつでもインストールして使うことができます。

プリインストールでもOfficeは安くならない?

WindowsOSはプリインストール版にしておくと割安なのに対し、Officeソフトはボリュームライセンスで購入するのとあまり変わりません。

むしろ、販社によってボリュームディスカウントも対応してくれるので、50本以上に本数をまとめられればプリインストール版よりも安く手に入る可能性もあります。

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筆者プロフィール
筆者プロフィール
  • 1976年 東京都生まれ
  • 23歳・・・サービス業の会社に勤務したが時間的自由度の低さに納得行かず転職を考える。
  • 25歳・・・「新卒扱いで構いません!」と言ってIT系企業(社員30名)に転職。
    Word、Excelから始め、サーバーやネットワーク機器の構築を学び、3年間SIerとしてお客様への提案やシステム構築を行う。
  • 28歳・・・「3年の経験あり」ということで現在の会社(従業員数900名)に社内SEとして入社
    遅れに遅れていた社内システムを低予算で更新した実績を評価された。