保有するPC台数が50台を超えれば、パソコンやパソコンにインストールされているソフトウェアの情報を管理者が手で管理していくのは限界です。
ココでは無料で使える便利なIT機器管理ツール「PCView」を使用したPC管理方法を説明します。
あくまでも「どうしても無料でやりたい」場合に有効な方法なので、完全な管理には程遠い部分があると言えますので予めご了承ください。
しかしながら、筆者は300台程度のPC管理をこのPCViewを使用し、かなりの制度で情報収集していました。
PCViewはパソコンの情報を収集するためのフリーソフトです。
PCView.exeを対象のパソコン上で実行すると下記の情報を瞬時に収集し、予め指定した場所にcsvファイルとして保存することができます。
項目 | 内容 |
---|---|
PC情報 | Windows バージョン、Windows ProductID、などを表示します。DualCPUの場合、CPUの数を別表示。Systemのパスを取得。 |
CPU | CPU、CPUクロック周波数 などを表示します。 |
NetWork | ユーザ名、IPアドレス、MACアドレス などを表示します。複数のネットワークアダプタに対応しました。IEのスタートページを取得できるようになりました。 |
Appli | インストールソフト一覧表示します。(コンポーネントは非表示)Windows2000、XP以降はパスを表示。 |
Printer | プリンタ一覧(ポート名)、共有資源、環境設定 を表示します。 |
Device | デバイス一覧 を表示します。詳細デバイスをダブルクリックすると、ドライバ情報を表示。 |
WMI | Windows2000、XP以降やWMIコンポーネントがインストールされた場合はWMIを取得します。 |
下記からダウンロードできます(リンク先「窓の杜」)
http://www.forest.impress.co.jp/lib/sys/hrdbnch/hardinfo/pcview.html
ダウンロードしたファイルを解凍すると、いくつかのファイルが生成されますが、必要なのは「PCView.exe」だけです。
社内のIT機器管理(WindowsPCに限る)に使用する場合は、全てのパソコン上で実行させる必要があります。
やり方としては、全員がアクセスできる共有サーバー上にPCView.exeを置いておき、ActiveDirectoryのログインスクリプトで実行させましょう。
予めcsvの出力先もサーバー上のフォルダに設定しておく必要があります。今後台帳として利用するのでcsvは一つのフォルダに集めておきましょう。
特に画面に表示されることは無いのでユーザーに気づかれることなく情報収集が可能です。
社員がアクセスできるサーバー上にフォルダを作り、共有できる設定にしておきましょう。
サーバー(サーバー名をserverとする)上には、「pcview」と「data」というフォルダを作成します。
それぞれ下記のようにNTFSアクセス権設定します。
フォルダ名 | アクセス権 | メモ |
---|---|---|
pcview | 参照 | 設定値を変更されたり、ファイルを消されない為 |
data | 書き込み | 書き込みのみで削除はできないようにしておく |
一度PCViewを実行すると設定画面で設定を行うことができます。
下記の画面のように設定を変更し、「保存」ボタンをクリックしてください。
保存が完了すると、PCView.exeを保存していた場所に「PCView.ini」という設定内容を記憶したファイルが生成されます。今後はこのファイルも必要になります。 「PCView.exe」と「PCView.ini」を上記で準備したpcviewフォルダにコピーします。
ActiveDirectoryで管理している場合は、ログインスクリプトで実行させるのが一番です。
メモ帳などで
\\server\pcview\pcview.exe
と記述したファイルを拡張子.batで保存すればOKです。
以上の設定でユーザーがPCにログインするタイミングで、dataフォルダの中にPC名のcsvファイルが作られていきます。
下記からダウンロードできます(リンク先「Vector」)
http://www.vector.co.jp/soft/dl/winnt/business/se401119.html
PCviewから生成されたcsvデータが入っているdataフォルダを収集フォルダと設定しデータ収集を行えば、PC管理台帳上で閲覧することができるようになります。
筆者が使用していた時は、PCViewが持ってくるログインユーザーID情報と、別に管理していたID台帳と突き合わせユーザーの名前(漢字名)や所属部署情報を取り込んで管理していました。
その他にもパソコンのリース情報も入れておき、リースアップが近づいたときの更新PC一覧の作成に役立てていました。
ヘルプデスクの際にユーザーの名前から使用PCを検索し、すぐにPCの構成情報を見ることができます。設定されているプリンター一覧やその中でも「通常使用するプリンター」に設定されているプリンターもわかるので、印刷ができないという問い合わせの際には非常に助かりました。
社内のPCにインストールされているソフトを一覧で見ることができ、ライセンス数管理にも役立ちますが、ソフト名で検索すれば不正なファイル交換ソフトの存在も確認することができます。
(コンパネのソフトウェア一覧に載っているソフトしか情報収集できないのでexeファイル単体で動作するWinnyなどは見つけることができません)
実際に当時はやっていたCabosやShareといったファイル交換ソフトのインストールが確認され、ユーザーにアンインストールを促し、実際に削除されたことを確認することもできました。
PCViewとPC管理台帳の組み合わせは、フリーソフトとは思えない管理能力を発揮します。まだ何もIT機器管理ツールを導入していない会社の社内SEの方はぜひ一度試してもらいたいと思える方法です。
PCViewが情報を収集するのはあくまでもユーザーがログインしたタイミングです。中にはPCを常時稼働させている社員もいるので、ログイン動作が行われず古い情報のままになってしまうこともあります。当然ネットワークがつながらない状況でログインしてもデータは更新されません。
ActiveDirectoryのログインスクリプトで実行させる場合でも、ローカルログオンで使用しているユーザーに対しては実行されないままになってしまいます。
ローカルログオンで使用するユーザーを許すかどうかはまた別の運用問題ですが、ローカルログオン・スタンドアロン状態のPCに対しては別途手動で実行してもらうなどの対処をしないと全てのPCデータ収集を行うことはできません。
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