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社内プリンターの最適な設定方法

社内のプリンターはどのように管理していますか?
筆者は500台を超える会社のパソコン全てにプリンターを設定する方法に頭を悩ませました。そして、10年あまり運用をしてきた結果、「最適なプリンター運用はこれだ!」というところにたどり着きました。プリンターの設定方法による違いと最適な運用方法についてご紹介します。

「ローカルプリンター」vs「共有プリンター」

プリンターの設定方法には大きく分けて二つの方法が有ります
まずはそれぞれの違いについて見てみましょう。

共有プリンター

サーバーにプリンターの設定を行い、ユーザーに対して共有する設定をします。(フォルダを作って共有設定するのと同じイメージ)
ユーザーは自分のPCに共有プリンターをリンクさせるだけで使えます。具体的にはエクスプローラーでプリンターを設定したサーバーにアクセスし、目的のプリンターのアイコンをダブルクリックするだけです。

共有プリンターの運用イメージ 全てのプリントデータはサーバーを経由するので、サーバー次第では印刷速度低下、不具合、印刷不能な状態が全社員のパソコンに起こるという怖さがあります。

ローカルプリンター(TCP/IP)

自宅で使用するプリンターと同様に、各クライアントPCにプリンタードライバーをインストールします。 (このドライバーインストールを自動化させる方法があります。詳細は「LAN内のPCに自動でプリンタードライバーをインストールする方法」で)

ローカルプリンターの運用イメージ 設定の手間はかかりますが、サーバーを経由する必要が無いので印刷速度は速く、サーバー自体も必要ありません。

2つのプリンター設定方法のメリットとデメリット

それぞれのメリットデメリットを表で見てみましょう。
赤く塗りつぶしているところがメリットです。

共有プリンター ローカルプリンター
設定作業 サーバーにドライバーをインストールすれば後はクライアント側にActiveDirectoryで自動配布すればOK クライアントごとにドライバーをインストールする必要がある。
解決策有り!
サーバー負荷 プリンターサーバーに負荷が集中する 負荷無し
サーバー障害時 全員がプリンターを使用できなくなる 影響無し(サーバー不要)
コスト プリントサーバー用のハード&OSを準備する必要がある
(その分の費用が発生する)
追加費用無し
ログ収集 プリントサーバーで収集可能 プリンターごとに持つログを手動で集めるか、別のツールを準備する必要あり

ローカルプリンター設定がオススメな理由

筆者の会社では、かなり悩んだ末にローカルプリンターの設定で統一しました。
企業内で500台を超えるクライアントを一括管理と考えると、ActiveDirectoryで管理できる共有プリンターを選択したいところなのですが、 最終的にローカルプリンターを選んだ理由は「サーバーメンテナンスが不要になる」というところです。

サーバーが必要になるということは、ハードやOSを購入し、その後もセキュリティ維持のための定期的なアップデートや不具合時の対応などを行わなければならず、管理者にとってはちょっとしたお荷物です。

共有プリンターでは全てがサーバー次第

共有プリンターで運用する場合、プリンターを使用するユーザー全員のプリントデータがサーバーに集中します。時には100MBを超えるPDFファイルを印刷しちゃう人もいて、サーバーのレスポンスが下がり、他のユーザーに迷惑をかけてしまうこともあります。
また、サーバーが止まってしまえば誰も印刷ができなくなってしまうのです。

その点、ローカルプリンターなら、プリンターと自分のパソコンさえ正常に動いていればいいので、サーバーが止まってしまったからと言って社内SEが休日に出社してくる必要もありません。

もちろん、クライアントPC側が不具合を起こせば印刷できませんが、その時は別の人のパソコンを借りて印刷することで対応できます。

ローカルだから自分の好きなように設定できる

プリンターの設定は人それぞれで、カラー設定や好みのドライバーなども違ってきます。

また、ActiveDirectoryでフロアごとのプリンターを標準設定として配布したとしても、人によっては別フロアのプリンターに出したいというケースもあり、臨機応変な対応が難しくなります。
必要な人が必要なものを自分の意志で設定した方が融通が利くし、最初の導入は面倒でも運用が回り始めればユーザー、管理者共にメリットがあるのです。

唯一、ローカルプリンターではできないこと

プリンターの一括設定、ドライバーの更新など、ローカルプリンター運用にすると大きな手間がかかってしまいますが、実際に筆者の会社でやっている運用では十分解決できています。(別のページで説明します。)

しかし、唯一ローカルプリンター設定ではできないことがあります。
それは「プリントログの一括管理」です。

「そんなのする必要ない!」ってことなら問題ないのですが、最近は外部の監査も厳しくなり、企業は厳重な情報漏えい対策が求められています。

いざ、情報漏えいが起きた際に、漏えい元をトレースできる仕組みの一つとして印刷ログの一括管理は必須項目なんです。

筆者の会社では別のツールでログ収集をしているので問題ありませんでしたが、ログ収集の必要がある企業の社内SEの方にとってはローカルプリンター運用に踏み切る際に慎重な検討が必要です。

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次は→ LAN内の全PCに自動でプリンタードライバーをインストールする方法

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筆者プロフィール
筆者プロフィール
  • 1976年 東京都生まれ
  • 23歳・・・サービス業の会社に勤務したが時間的自由度の低さに納得行かず転職を考える。
  • 25歳・・・「新卒扱いで構いません!」と言ってIT系企業(社員30名)に転職。
    Word、Excelから始め、サーバーやネットワーク機器の構築を学び、3年間SIerとしてお客様への提案やシステム構築を行う。
  • 28歳・・・「3年の経験あり」ということで現在の会社(従業員数900名)に社内SEとして入社
    遅れに遅れていた社内システムを低予算で更新した実績を評価された。