違法コピー率20パーセントを誇る日本の緩いライセンス管理状況が問題視され、各企業はSAM管理の徹底を余儀なくされています。
数あるSAM管理システムの中から筆者が選んだMOTEXの「LanScope」の実力を例として取り上げ、SAM管理にかかったコスト以上の効果を出すことができた経緯をご紹介します。
SAM管理徹底の先にある、大きな副次的メリットとは?
SAM(Software Asset Management)はソフトウェア資産管理と訳される通りで、今に始まったことではなく、昔から企業が当然のように行ってきた(はず)のことです。
詳しい説明は他のサイトにお任せして、ざっくり説明すると
「ソフトは違法コピーが無いように責任もって管理してね」
「そして、あなたの会社に違法コピーが無いってことをいつでも証明できるようにしてね」
ってことです。
SAM管理を導入する副次的な効果はいろいろありますが、とにかく違法コピー防止がメインの目的です。
筆者の会社も"あること"が起きるまではExcelの台帳でなんとなく管理しているレベルでした。そもそも、多少ライセンス数をオーバーしてもインストールできなくなるソフトなんてほとんど無いし、PCのリプレイスなんてなればどうしても一時的にライセンスを重複して使わざるを得ない状況になります。
そして、それじゃいけないんだと痛感したあることとは
「Microsoftのソフトウェアライセンスに関するコンサル」と称する抜き打ちチェックです。
流れとしては
マイクロソフト:「お宅のMicrosoft製ソフトウェアの使用状況を全部記入してください」
と言ってExcelの記入用フォーマットが送られてきます。
手持ちのExcel台帳を寄せ集めて記入できる限りを記入して提出。すると
マイクロソフト:「あれ?SQLサーバーも3本買ってますよね?」
とか
マイクロソフト:「パッケージ製品はプロダクトキーも記入してください」
という追加注文が入ります。
筆者の会社はそれでもExcelの管理を頑張っていたので最終的に3回ほどのやり取りで合格しましたが、関連会社の一つはライセンス数が合わず、追加購入で数百万円の出費になっていました。
足りない分を購入する出費は当然のことですが、ライセンス管理ができていなかった、つまり違法コピーライセンスで仕事してました。という事実は会社の信用に大きな傷をつけかねません。
ソフトウェア会社とのやり取りだけでも、突如の出費について内訳を問われれば株主からの信頼を失い、資金を失うという形でダメージを受ける危険性も秘めているのです。
そんなこんなでもっとSAM管理システムでも入れて、ノーメンテナンスでリアルタイムにSAM管理して行こうということになり、今も国内シェアNo1のMOTEX製SAM管理システム「LanScope」を導入することとなりました。
LanScopeに限らず、この手のIT資産管理システムで最も重要なのは、管理外のPCが存在しないことです。エージェントインストール型でデータを収集するので、エージェントをインストールし忘れたPCが存在していたらそれだけで意味をなさなくなってしまいます。
LanScopeは不正危機検知オプションを併用することで、LanScopeをインストールしていないとLANにつながらないという制御が可能です。
これにより、社内のPCにはもれなくLanScopeエージェントがインストールされ、すべてのPCについてSAM管理が可能となるのです。
SAM管理に使用するためのデータは非常に充実しています。LanScopeで収集するソフトウェア情報はメーカーから提供されるカテゴライズ用データと合わせることで、そのソフトが有償のものか、フリーソフトなのかを判別してくれます。
また、細かいバージョン管理もできグループ作成も柔軟にできるので社内SEとしては保有ライセンスさえ入力しておけば、社内のライセンス過不足をリアルタイムに知ることができます。
筆者の会社ではこのデータを月次で出力し、SAMレポートとして上長に報告しています。
SAM管理なんてソフトウェア会社が違法コピーで損失を出さないための作業なのに、なんで消費者側がこんなに手間をかけなきゃいけないの?と思っていましたがLanScopeを利用したことで思わぬメリットが出てきました。
LanScopeではPCにインストールされているソフトウェア一覧と、各ソフトウェアの使用時間(累積)を知ることができます。
筆者の会社では技術部門に、100万円を超える高額なCADソフトを導入しています。技術部門からはこれがなくちゃ仕事にならないと言われますが、管理部門とするとこんな高額なソフト使ってどれほど効果をだせるんだ?と言いたくなるところ。
しかし、今までは実際にそのCADソフトの利用実態を見定める術はありませんでした。
そこでLanScopeでこのCADソフトの利用時間レポートを見てみたところ、100万円のCADソフトを導入したにもかかわらず、その後3か月間全く使用していないユーザーが全体の7パーセントもいたのです。
これをきっかけにこのユーザーのライセンスを簡易版のライセンス切り替えたり、不要なユーザーライセンスを解約することで年間の費用を600万円近く削減することができました。なんとLanScopeの導入費用をそっくり捻出できてしまったのです。
その他、Microsoft Office Accessの使用時間を確認し、今までProfessionalエディションで導入していたOfficeソフトを部分的にStandardに変更しました。
1ライセンスあたり約10000円のコストダウンになり、会社全体では300万円以上の経費削減となりました。
SAM管理を徹底するために決めておくべきルールがあります。それは
・有償のソフトウェアライセンス購入稟議申請は必ずシステム管理部門を通す
ということです。
知らない場所で知らない有償ソフトが使われていたという事態を避けるため、社内のライセンス管理は一元化しておかなけばいけません。
社内SEは購入されたソフトのライセンス証書などを保管し、保有ライセンス数やライセンス有効期限などはその都度、台帳上に反映していくという流れで運用を行えば、常に最新の状態のSAM管理が実現できます。
以上のようなSAM管理を行っておくことで、将来的なソフトウェア購入計画も立てやすく、予算管理やコスト削減計画の立案にも有効に活用できるデータとなります。
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